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着物大事典
着物に合わせる履物として草履があります。草履は着物の格などに左右されますので、いざ選ぶとなると、意外と草履の種類が多いことに戸惑ってしまうかもしれません。
そこで今回は、草履の種類や素材の違い、フォーマル着物に合わせる草履の種類などをご紹介していきます。着物は一定の着用ルールがありますので、ぜひ参考にしてください。
草履は足をのせる台と、鼻緒が主な部位ですが、そのほかにも以下のように専用の呼び名があります。
・台(だい)
台は、真上から見える広い部分で足をのせる部位となります。靴ほど細かくはありませんが、草履にもいくつかのサイズがあります。足が大きいからと草履台を実際の足寸法よりも大きくしてしまうと、着物を着用した時にアンバランスになる恐れもあるため注意が必要です。
・鼻緒(はなお)
鼻緒は花緒とも呼ばれ、台に留められているもので、履くときに足を挿しいれる部分です。無地や柄、素材など、さまざまなバリエーションがあります。
・天(てん)
天は、草履台の上端の部分を指します。履いたときに足裏があたる部分です。季節や着物の格により素材などが異なります。
・底(そこ)
底は、草履が地面と接する面を指します。洋装の靴のように底に凸凹などの加工がなく、フラットな形が一般的です。
・巻(まき)
草履台の側面部分を指し、天と底の間の部分です。天と巻が同じ素材の場合もあれば、デザインとして別々にする場合もあります。
草履は高さの違いがあり、かかとが高くなどほどフォーマル向きの履物になるのが一般的です。また、草履台の作りの枚数が多くなるほど格も高くなり、フォーマル向きの草履の高さは約6㎝ほどであり、カジュアル向きの草履は3㎝ほどが目安となります。そのような草履台の作りを見てみましょう。
・一枚芯
一枚芯は、台の側面である巻の部分が一枚のみで作られている、最もシンプルなものです。装飾が抑えられているため、さまざまなシーンで履くことができる万能的な草履といえます。普段から着物を着用したいと考えている方なら、一つは揃えておきたい草履です。
・一の三枚芯
一の三枚芯は、一枚芯のかかと付近に半月といわれるものを2枚重ねて作られています。普段使いのおしゃれ履きとして使われることが多いでしょう。
・二の三枚芯
二の三枚芯は、一枚芯のような通し部分を上下に配置し、間に半月を一枚差し込み、かかと部分は3枚重ねで作られています。通しで挟まれた半月に柄を取り入れてアクセントにするなど、デザイン性のある草履にすることもあります。かかとも高くなるため、訪問着などフォーマルな場に向いています。
・三の三枚芯
三の三枚芯は、一枚芯のような通しが3枚重なって作られたものです。かかとも高さがあるためフォーマルなシーンに向いていますが、普段履きにも使えるため両用しているケースもあります。
・ペラ・半月
ペラとは、通しなどの間にラインのようにすっと重ねられた部分です。ペラや半月を重ねることで高級感のある作りになり、かかとの高さも確保されます。格式高い着物には、ペラや半月が組まれた草履がおすすめです。
草履には、さまざまな素材の種類があります。どのような違いがあるのかを詳しく見てみましょう。
・合皮素材
草履の中でもリーズナブルで人気の素材です。見た目は本革のようですが、雨など天候を気にすることなく、お手入れも楽に履くことができます。ただし、本革のように長持ちするのは難しく、消耗品として捉えておくのがよいでしょう。
・本革素材
本革素は、エナメル塗装で仕上げるのが一般的です。耐久性があり柔らかく履きやすいのが特徴です。草履を履くと足が傷むという人は、本革素材がおすすめです。合皮よりも長持ちしますので、家族内で受け継ぐなどのケースもあります。
・天革素材
合皮と革を部位ごとに使い分けて作られる草履です。草履台の上端となる天部分は摩耗が激しいため、革を用いて耐久性を高め、台の側面などには合皮を用いてコストを抑えられます。鼻緒部分にも皮を用いることで、履き心地が柔らかくなります。
・帆布(はんぷ)素材
帆布素材は、カジュアルな着物と相性がよい草履です。帆布は丈夫な布なので、やわらかい履き心地です。また、色使いもカラフルにすることができるため、草履のおしゃれを楽しめるでしょう。
フォーマルな場では、どのような草履を選べばよいか迷う人も多いでしょう。基本的には、かかとが高い草履は正礼装や準礼装に履きます。ここでは、改まった場にふさわしい草履をご紹介します。
・金・銀草履
結婚式や成人式など正礼装が必要な場では、草履台のかかとが高く、素材はエナメル、色は金や銀などが向いています。
鼻緒は金・銀の色に準じる無地、または金彩などの格式高い生地、柄がよいでしょう。鼻緒のデザインはバリエーションが豊富にありますが、ポップカラーなど目立つ色調は避けたほうが無難です。
・白・アイボリー草履
白やアイボリーなど白系統の草履はフォーマル、セミフォーマルな場で使えてさまざまな着物と合わせることができるため、一つ持っていると重宝します。お茶会や七五三、入学式などに向いています。
カジュアルシーンでは、格式が高すぎるものは履きません。着物とのバランスが合わずに浮いてしまうため、注意が必要です。ここからは、カジュアル着物に相応しい草履をご紹介します。
・色付き・柄付き草履
草履台が赤や黒、ピンクなど色付きのものや、鼻緒の柄が華やかなものなどは、カジュアル着物に履ける草履です。高さも抑えられ、普段使いに向いていますが、気を付けたいのは、着物とのバランスです。たとえカジュアルな場であっても、着物の柄や色合いと合わずバランスが悪い着こなしは、悪目立ちしてしまう可能性があります。あくまでも全体的な雰囲気をコーディネートして着用しましょう。
・浴衣には下駄がおすすめ
夏に浴衣を着用する人が増えていますが、浴衣には下駄を合わせるのが一般的です。下駄の特徴である足音がいつもと違う気分を感じさせてくれます。
ただし、浴衣のなかでも絹紅梅、綿紅梅など高級浴衣では、草履を合わせる場合もあります。その場合は足袋をはいてもかまいません。
今回は、草履の種類や素材の違い、着物に合わせる草履の選び方などをご紹介しました。一口に草履と言っても、フォーマルかカジュアルか、目的により相応しい草履の種類は異なります。上手く着物と組み合わせできるように、ぜひお知りおきください。
なお、VASARAでは、様々なシーンにお役立ていただける着物をご用意しています。草履をはじめ、小物もセットになったパッケージプランも充実していますので、ぜひご相談ください。
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