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着物大事典
伊勢の名物といえばといえば赤福です。その赤福から毎月1日限定の月替わり餅、「朔日餅」があるのはご存知ですか。
・なぜ毎月1日限定なのか。
伊勢には毎月1日に普段より早く起きて伊勢神宮へお参りする「朔日(ついたち)参り」という習わしがあります。無事に過ごせた1ヶ月を感謝し、また新しい月の無事をお祈りします。この朔日参りに訪れる参拝者を迎えるために作られたのが「朔日餅」です。発売開始は昭和53年のこと。元日を除く毎月朔日(ついたち)に限り販売しています。季節ならではの餅菓子を楽しむことができます。
・各月の餅菓子
2月立春大吉餅
黒大豆と大豆を使った二種類の豆大福です。一つは、大粒の黒大豆とこし餡を餅生地で包み、もう一つは、こし餡と大豆を包んだ餅生地にきな粉がまぶしてあります。お餅と豆の食感を楽しむことができます。
3月よもぎ餅
よもぎの持つ色と香りをそのまま練り込んだ餅生地で、つぶ餡を包んでいます。女児のすこやかな成長を祈る上巳(じょうし)の節句(桃の節句)にちなんだ餅菓子です。
4月さくら餅
ほのかな桜色に染めたもち米で、こし餡を包んであります。選び抜かれた桜の葉で包んでいるので、桜葉とともにいただけます。春らしい餅菓子です。
5月かしわ餅
子供の成長を祝う端午の節句にかかせないのが「かしわ餅」。こし餡の入った餅を柏葉で包んであります。
6月麦手餅
もち麦粉が入った餅生地で黒糖味の餡を包み、上から香ばしい麦粉をまぶした素朴なお餅です。麦の香ばしさが漂います。
7月竹流し
赤福の餡で特製した水ようかんを青竹に流し込み、笹の葉でふたをして、名づけて「竹流し」。竹筒の底を付属のキリで穴を空けて食べる工程もまた楽しいひとときです。
8月八朔栗餅
「八朔」(はっさく)とは、旧暦8月朔日(ついたち)のこと。粒を残して作ったあわ餅に、昔ながらの黒糖味の餡をのせたものです。粟の粒感と黒糖の風味が美味しいです。
9月萩の餅
小豆のつぶつぶとしたつぶ餡の色や形を、咲きほこる萩の花に見たてたのがおはぎの由来です。萩の餅は季節菓子としてなじみ深いおはぎです。ほんのり塩味がきいており、あたたかいお茶がよく合います。
10月栗餅
もち米の食感を程よく残した生地で、風味豊かな栗餡(あん)を包み、栗ようかんが乗っています。選び抜かれた栗の味と薫りで秋を味わいましょう。
11月ゑびす餅
二種類あり、打ち出の小槌に見立てた餅は、餡も生地も黒糖の味わい。黄金色の小判に見立てた餅は、さっぱりとした柚子風味です。
12月雪餅
もろこし粉入りの餅生地でこし餡を包み、もち粉をまぶしてあります。うっすらと雪化粧した大地に見立てたお餅です。
店内でいただく場合はお餅に合わせた月替わりのお茶がついてきます。こちらも楽しみのひとつです。ほうじ茶は店員さんに頼むと常時いただけます。
・お土産用購入方法
『前日午後5時から「列整理券」の事前受付』
まずは「受付番号票」をもらいます。
『当日午前3時30分「列整理券」の配布』
事前にもらった「受付番号票」と引き換えに、「列整理券(列を整理する為の券)」が配布されます。
※「列整理券」はご購入引換券ではありません。
『当日午前4時30分お並び』
係員の誘導に従い、「列整理券」の番号順に並びましょう。
「列整理券」を持っていなければ最後尾に並びます。
『当日 午前4時45分』販売開始
※商品がなくなり次第販売終了です
※予約販売もございます
持ち帰り用のお土産はなんと前日午後5時から受付が始まります。日も登らない早朝から整理券を受け取りに行くのはハードルが高いという方もいらっしゃるのではないでしょうか。しかし、店内でのお召し上がりは列も短く時間によってはすぐにいただけます。レジで食券を購入し奥の座敷で待っていると、すぐにお餅が運ばれてきます。お持ち帰りはできませんが、長い列に並ぶのが苦手な方やすぐにいただきたい方におススメです。持ち帰り用の箱の包装紙は伊勢千代紙で出来ており、こちらも毎月絵柄が違います。座敷に折り紙サイズの千代紙が置いてあるので、店内でお餅を待っている間に手に取ってみてください。
1日はいつもより早起きをして、朔日餅をいただいてみてはいかがでしょうか。また、赤福に限らず、おはらい町・おかげ横丁全体が早朝から賑わっています。他のお店でも朔日粥など1日限定メニューが出ているので、朝ご飯としてお腹を満たしたら朔日参りをして素敵な1か月の始まりです。
赤福本店
営業時間:午前5時~午後5時(繁忙期時間変更有)
定休日:無休
住所:三重県伊勢市宇治中之切町26番地
電話番号 :0596-22-7000
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