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着物大事典
和服をお召しになる場合は、どなたも美しい着付の線や着崩れしない方法をお考えになってお召しになると思いますが、この二つを完璧にするのはどうしても仕立ての時から工夫していただかなければなりません。
ちょっとした寸法の違いで不自然な線がでたり、身体のコンプレックスが目立ってしまったり、着崩れしたりするものです。
例えば、柄合わせについての知識がなくて、柄がうまく配置できないと、せっかくお召しになっても、丈が短く見えて「想像していたほど似合っていなくてがっかりした」と気落ちしてしまう方もいらっしゃいます。
お着物を本格的に楽しみたい方は、自分の身長や身幅をきちんと採寸してから自分の身体つきにぴったりあう仕立てをすることが美しい着付の第一条件となります。
肌着には晒(さらし)かガーゼを使用します。丈は帯の下に入るくらいがよく脇裾に馬乗をあけます。衿巾は2cmくらいにし、芯を入れてしっかり仕立てると着付のとき衿元がすっきりしてみえます。また衿肩明は長襦袢よりも4㎜控えて仕立てます。
上から下までぴったり合った寸法で仕立てた着物や肌着はほんとうに気持ちよく着られ、上手な着付によって着物でも身体にぴったりあったワンピースのように美しいボディラインを魅せることができます。
昔の和服は柄と色彩の変化が主でしたが、今後はその人々のボディラインの美しさを出すことが着物ファッションの流行となっていくでしょう。
着付の変化により、女性の和服スタイルがいろいろな表情をみせて日本の街を彩るのは、日本人だけでなく世界中から訪れる観光客もとても楽しみにされることでしょう。
レトロモダンな着物が昨今リバイバルして流行っていますが、着付にもレトロモダンな方法があります。
大正レトロモダンな着付をお好きな方は、なで肩の場合は肩パッドをお入れください。肌着に縫い付けてお召しになります。
肩や胸に膨らみの無い肩は薄い綿入れのチョッキを用意し、時短で若さの象徴である“厚み“を出します。胸の形をさらに魅力的にしたい肩は麺で形を作ってブラジャーをするのもありです。
ウエストがくびれすぎているまたは細すぎる場合は柔らかな厚めの芯を入れた胴巻を使います。下腹の線の悪い方は、コルセットでかっちりと占めるとすっきりします。くびれがしっかりしていて腰からヒップにかけてメリハリがしっかりしている方は腰布をタオルや薄布で予めつくっておき、帯がとまりやすいように山をつくります。
女性のボディラインは様々ですから、鏡で全身をくまなくチェックして自分のコンプレックスをしっかり把握して補整することを意識しましょう。
和服が身軽で洋服のように活動できたらどんなに良いでしょう。着崩れしたくないけど強く結ぶと疲れてしまうという悩みも解決したいものです。実は、着崩れはたった3本の紐を工夫するだけで防ぐことができます。ウエストベルトが市販で販売されていますが、メリンス、キャラコ、晒(さらし)の素材で作ることも可能です。
長襦袢の背縫いに衿肩明より約19cm下(ちょうど胸の付け根あたりの肋骨あたりの高さ)に縫い付けておくと便利です。
コルセット替わりにウェストベルトを巻きます。市販では、伊達締めで代用できます。ご自身で作る場合はメリンス、キャラコ、晒(さらし)の素材を使用します。
伊達巻・伊達締めを締めます。市販のマジックベルトまたは京ベルトで代用可能です。少し伸びるタイプのものとしっかり締めるタイプのものがありますので着用する時間の長さなどを考慮して選択しましょう。
帯を結ぶ高さは慎重・肥っている方・痩せている方・襟の合わせ方などによってその位置が変わってきますが、大正レトロモダンな着付では代替帯は低めに締めます。なお一般的には背の高い方は低めにゆったりと膨らみを出して、背の低い方はこじんまりと帯を結びます。
いずれにしても、帯で身体が縛られているような窮屈な感じを受けないように帯をしめます。帯は優美さをより輝かすアクセサリーという位置づけです。
帯を締めるときには後ろから誰かに抑えてもらってぴったりと背中と帯にゆるみや隙間がないように帯山を結びます。帯巾も背の高い方は廣くし、斜めにクロスするように締めたりします。ただし、クロスする角度が強すぎると粋になり過ぎてだらしなくなるので少しずらす程度にしましょう。
衿元の合わせ方によって印象はずいぶん変わってきます。きりっと深く衿元を合せると若若しい近代美になります。襟を抜いて半衿を出すと粋にまり、出し過ぎると下品でだらしなく見えますので適度に除く衿足には落ち着いた品位を感じます。みなさんの間隔で着物と顔にあった衿元をコーディネートしましょう。
一般的な着付のごきはもちろんのこと、レトロモダンな着付では首の長い方、面長の方、スリムな方には衿元を深く合わせるとバランスが良くなります。また、反対に、丸顔の方、ふくよかな方、顎の短い方はV型にゆったり合わせるのがすっきり見えます。
着物は本来自由な衣装です。最低限の「着崩れしない」ことを守った上で、洋服と同じように、体型や顔型タイプに併せてコーディネートのアレンジを楽しみましょう。
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