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着物大事典
母親や祖母が着物を着る場合、「自分で着付ける」「着付師に自宅にきてもらい着付けてもらう」「(美容室や着物レンタルショップなどの)お店で着付けてもらう」のいづれかで対応します。着る着物が決まっている状態で着付にかかるのは、着物の種類にもよりますが礼装の場合一般的には40分~50分程度ですが、着付をする人にもよりますのでおおよそ1時間程度とみておくのが良いでしょう。礼装の着付けに慣れている着付師の場合は20分程度で着付けることもあります。
ご自身で着物を持っている場合は美容室または着物レンタ店へ電話をして希望する時間に対応が可能かどうかの確認をしておくとスムーズです。ご自宅で着物を持っている場合は着付が対応可能な美容室でも問題ありません。ご自宅に着物が無い場合・またはいつもと違う着物を着たい場合は、ヘアセットの対応が可能な着物レンタル店を利用するのが便利です。その場合、先に男性が身支度を済ませた上で一緒に自宅近くまたは神社近くの着物レンタル店へ移動するか、赤ちゃんへの授乳やおむつ交換が父親や祖父で対応できる場合は先に母親と祖母が着付レンタル店へ向い、迎えにいくのもスマートです。
お宮参りでの参拝(「通常参拝」、「お祓い」または「祝詞奏上」)をもって産婦の「産の忌」の忌明けを意味することもあるため、本来は父方の祖母が抱いて参拝をしますが、父方の実家が遠かったり、母子が母方の実家に里帰りしていたり、同居している場合等には、母方の祖母が抱いても差支えはありません。また両方の実家が遠方の場合には両親だけで参拝することもあります。近年では、神前でお賽銭を入れて鈴を鳴らし、礼拝祈願するだけでの略式で済ませるケースも増えていますが、社務所(しゃむしょ)に申し込めば、お祓い(おはらい)、祝詞奏上(のりとそうじょう)を行ってくれますので、赤ちゃんにとってのお宮参りは一生に一度ですので特段の理由がなければ記念にお祓いや祝詞奏上をご経験されてみてはいかがでしょうか。
お宮参りは午前中に参拝することが多いため、初宮参り後は古くはご近所へ挨拶に伺い、赤ちゃんのお披露目をおこなっていました。以前に比べてライフスタイルが多様化してきた近年では、親族や友人となかなか会える時間がなかったり場所が離れているご近所づきあいが減ってきていることもあり、挨拶周りではなく写真館や神社での記念写真を撮り後日郵送するケースが主流になってきています。参拝後に両家でお祝いのお食事をいただく場合もあるかと思います。記念撮影が先か、お食事が先かなどもご両家で予め話し合って決めておくと当日スムーズに過ごせます。
大きく分けて、お宮参りの後に神社で家族の集合写真を撮影する場合とフォトスタジオへ移動して家族の記念・記録用に撮影する場合があります。
ご祝儀の御礼にお渡しする写真として神社でスナップ写真を撮ったものをはがきにしたり、写真を手紙に添えてお渡しするくらいで差支えありません。最近では知人へのご報告をSNSにアップロードして行う方も増えており、その場合は撮影場所の背景が神社の方が“映える“という意見もあります。神社で撮影をする場合は、アングルを気にするあまり境内でお尻をついたり寝そべった状態で撮影するのはNGです。また、参道で大きなストロボや三脚を付けて同じ場所に長く留まり、他の参拝者に迷惑が掛かり失礼にあたりますので手ぶれや表情のことを気にする場合は2-3枚撮影する程度に留めましょう。
食事会は自宅でおこなう場合もありますが、妊娠・出産・育児でなかなか外出ができないお母さんの気分転換も兼ねてお食事をレストランなどでする場合もあります。ご両家で食事会をする場合はサーブ(給仕)をお任せできるのでママもリラックスして赤ちゃんを交えた家族との和やかな時間が過ごせます。お店を予約する場合は、個室または和室があるお店であれば、サーブ(給仕)や後片付けはお店がしてくれるのでお母さんの身体の負担が軽くなるのはもちろんのこと、もしお食事の際に赤ちゃんが寝てしまった場合でも畳なので寝かせることができまし、赤ちゃんが泣いた場合もほかのお客様への迷惑にならないか心配になったりストレスに感じることはなくなりますので両親やご家族にとってもリラックスしてお食事を楽しめます。また、この時期の赤ちゃんは頻繁に母乳をあげたりおむつを交換する時期ですので、授乳室・おむつ交換台があることも重要です。もし父親や祖母がお店を予約することになった場合は、授乳室・おむつ交換台・和室または個室があるレストランを探してみるとよいでしょう。予算はひとりあたりランチで3,000円~5,000円程度です。誰が払うかは様々で、最近は「祝い着を母方の祖父母が用意する場合は食事代は父方の祖父母が支払う。」「両家からお宮参りのご祝儀を相場以上いただいたので、父親が支払う。」「両家で食事代を折半する。」などで事前に対応をどうするかを、あとあともめるきっかけにならないためにもレストランで支払うときに決めるのではなく事前にご家族で相談して決めているそうです。
伝統行事ですのでしきたりを大事にしたいところではありますが、時代の変化や習慣の多様化や女性の社会進出が進む近年においては、「限られた時間で効率よく済ます方法」とか「なにが正しいか」とか「しきたりを押し付けあう」ことが重要なのではなく、ご両家が新しい家族をお互いに大切にしたいという気持ちの表しとして、十分にコミュニケーションを図り、相談しながら決めることが重要です。母親は産後の育児で常に睡眠不足であったり赤ちゃんの体調に異変がないか四六時中心配をして疲れた溜まる時期ですので、父親や父方の祖父母が母親を気遣い「助け合い」の精神で心配りをしたうえで率先して進めると、結婚式後の初の大きな行事でご両家の親睦が深まり、家族の絆が深まる素敵な記念日になるでしょう。お宮参りは大切な新しい家族の大切なライフセレモニーです。共働きの家庭によくある「あなた(母親)の好きに決めていいよ」と「丸投げ」「任せっきり」「放置」するのではなく、お互いに忙しかったり疲れているとは思いますが、父親は自分から声をかけてはじめての育児で不安を感じている母親にこまめに声をかけて一緒に決める優しさ・いたわり・心遣いを大切にしましょう。また、母親は、「大切に思っているのであればやったことが無くても想像して行動できるでしょ?」と家族への愛情を試すのではなく、父親にとってもはじめての行事ですので「忙しい中、赤ちゃんの行事や育児の大変さを気にかけてくれる父親の行動」に感謝の気持ちを伝えましょう。お宮参りは赤ちゃんが主役の行事ではありますが、両家がお互いに普段なかなか言えていない感謝の気持ちを言葉や行動で示し絆を深める素敵な機会です。赤ちゃんの成長を一緒に祝うという共通の目標に対して、両家が協力し合い少しずつ一緒に「家族の絆」を深めていく努力をしていきましょう。
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