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着物大事典
日本は春夏秋冬と四季のある国です。昔から季節によって衣類や持ち物を替える習慣が根付いていています。それと同時に季節によって目玉なものやモチーフを着物に取り入れるという風習もありました。1月から12月にかけて四季を感じさせる装いを楽しんでみませんか?着物の中の柄の意味と一緒に季節のモチーフをご紹介いたします。
1月 松竹梅・鶴・宝船
2月 梅・うぐいす・水仙
3月 桃の花・木蓮・貝合わせ
4月 桜・藤・チューリップ
5月 薔薇・牡丹・つばめ
6月 紫陽花・さくらんぼ・百合
7月 金魚・朝顔・蛍
8月 桔梗・撫子・秋草
9月 ブドウ・コスモス・月
10月 菊・紅葉・栗
11月 イチョウ・きのこ
12月 椿・ヒイラギ・おしどり
厳しい寒さの中でも緑を絶やさない「松」、寒さに強く青々とまっすぐに伸びていく「竹」、冬の中まっさきに花を咲かせる「梅」は、「三寒三友」と呼ばれており古くは中国でも尊ばれました。逆境にさらされても誠実に成長していく様を表すとされており、日本でも君子の象徴として古くからお祝い事には欠かせないものとなっています。
「鶴」は延命長寿の象徴とされています。風格のある美しい姿と子供が旅立つまで夫婦仲良く寄り添うため夫婦円満の意味もあり、婚礼衣装によく用いられる模様です。
「宝船」は七福神や財宝、米俵を載せた帆掛け船のことです。鮒先の向きによって意味が異なり、左を向く「入船」は幸せが訪れるようにとの願いが込められていて、右を向いている「出船」はおめでたい門出を表しています。
厳しい冬を耐え忍いで、春に美しい姿を見せてくれる「梅」の花は忍耐力や美を表しています。「うぐいす」は梅の咲くころに鳴きだすので春告げ鳥とも呼ばれ、春の到来を意味しています。「水仙」は2月に咲く花として厳しい寒さを耐えて花を咲かせることから延命長寿の縁起物としての意味があります。
「梅の花」は春の訪れを表し、忍耐、忠実、上品、高潔といった美しくも力強いイメージで描かれます。日本人の耐え忍ぶ意識とも合わさって人気の柄となっているんでしょうね。「木蓮」は3月~4月ころに咲く花で、春を告げる花という意味があります。
平安時代から日本人に愛されている「桜」。さくらの「さ」は稲、「くら」は神が宿る座を意味していて、豊作を願って描かれます。春の花ですが、通年着ることができます。「藤」の花の紫は高貴な色とされています。長寿や子孫繁栄の消灯とされていました。「チューリップ」は明治~対象に人気になった柄で、季節感にあっているため近代では小物にも利用されています。
桜や牡丹とは違い、西洋の花である「薔薇」は色によって意味が異なり、赤は愛情・情熱、青は夢の実現・奇跡、ピンクは上品・淑やか、白は清純・尊敬、黄色は友情・可憐となっています。「牡丹」は花の豊かさや華やかさから豪華・幸福の象徴とされています。「つばめ」は子育てに熱心なため縁結びと安産の象徴となっています。
「紫陽花」は色を変えることから移り気を意味していますが、最近では集まって咲く様子から家族団らんを意味しています。また、長期の雨季に負けず花を咲かせるため辛抱強い愛情の象徴ともなっています。「百合」は純潔や無垢の意味を持ちます。「さくらんぼ」は6~7月頃に出回ります。アクセサリーとしても可愛らしく、根付にしたりすれば季節に合いますね。
「金魚」は幸福と豊かさの象徴といわれていて、中国では金運や縁起物という意味もあります。「朝顔」はツルがしっかり巻き付く様子から結びつきと愛情という意味があります。「蛍」は蛍の光のようなぼかした丸のことを指します。夏の浴衣にピッタリですので見つけたらぜひ着てみてください。
ヤマトナデシコという言葉の由来になっている「撫子」は美・優雅・笑顔といった意味があります。秋の七草として知られる「桔梗」や「秋草」ですが、桔梗は6月から9月まで自生する花であることや立春を8月初旬に向かえることから、秋草模様を8月にしても問題ないんです。
「ブドウ」は豊穣を表す象徴的な果物で、ぐんぐん伸びるツタと大きく実る房が繁栄を表します。「コスモス」秋の季語にもなっている花で浴衣にもよく利用されます。変化する「月」の姿は花鳥風月として好まれていて、お月見の時期にも合う9月に着るのがオススメです。
「菊」は吉祥文様です。長寿を象徴する代表的な花として愛されており、秋だけではなく季節を問わず用いられています。「紅葉」は季節により色を変え美しい色で人を喜ばせることから世渡りが上手く幸せになれるという意味があります。「栗」は出陣に際して戦勝を願う勝ち栗に通じるものとして武士に好まれました。秋の味覚として着物に取り入れてもいいですね。
「イチョウ」は樹齢が長いことから長寿や長命、葉っぱは扇型に似ていることから末広がりの縁起物を意味しています。きのこは健康長寿に役立つ秋の食べ物です。実は帯留など和装小物にきのこモチーフのものがあるんです。アクセサリーを持っていれば根付や帯締めに通して合わせることもできるのでオススメですよ。
「椿」は一年中葉が青くなっていることから常盤木と呼ばれており、縁起物とされていました。高貴な色である紫に染める原料として利用されていたこともあり、高貴、聖なる花という意味があります。「おしどり」は夫婦が寄り添うように仲良く泳ぐ姿から仲睦まじい夫婦を象徴して夫婦円満の意味で利用されます。「ヒイラギ」は花言葉として清廉を意味していて、クリスマスに良く見られる木ですので、赤い着物と帯留にアクセサリーとして合わせるといいですね。
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