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着物大事典
正式な赤ちゃんの祝い着は、男の子の場合は羽二重地(はぶたえじ)の紋付きで、鷹やめでたい図柄などののし目模様、女の子の場合は綸子時(りんずじ)や縮緬地(ちりめんじ)に花柄などをあしらった友禅(ゆうぜん)模様の紋付きが用いられます。
この祝い着は、白羽二重の内着をつけ、母親の実家から贈るのがしきたりといわれています。家紋の入れ方は染抜日向(そめぬきひなた)五ツ紋または三ツ紋として、赤ちゃんの戸籍上の家の家紋が多いようです。現在では和装の場合、購入して七五三のときに着用する場合や着物レンタルショップで借りる場合、またはフォトスタジオで借りる場合があります。(フォトスタジオでは写真撮影のみの着用でお参りまでレンタルできない場合もあるので事前に確認をしましょう)
洋装の場合は祝い着を用いず、外出用のベビー服や真っ白なベビードレスを着せた赤ちゃんをケープやおくるみで包んで抱く、略式ケースも増えていますいづれの方法でも、赤ちゃんの健康と幸せを願う両親の気持ちの表れですのでお宮参りは大切な行事といえます。
赤ちゃんの祝い着を正式な装いにした時には、付き添いの人の服装もそれにあわせることが望ましいでしょう。
母親の服装を和装にする場合は、黒留袖が正装とされていましたが、最近では色留袖、訪問着、色無地(紋付き/一つ紋)、附下げ(つけさげ)でもよいとされています。帯は袋帯が望ましいですが、名古屋帯も用いられます。洋装の場合はフォーマルなスーツまたはワンピースが選ばれることが多くいです。洋装の場合は露出が激しかったり華美にならないよう淡い色で控えめで品のあるタイプのものがよいでしょう。和装・洋装もどちらも赤ちゃんが主役ですので、祝い着との色被りしない着物を選び、赤ちゃんを引き立てるようにしましょう。髪型はパーティーや結婚式ほど華やかにする必要はありませんが赤ちゃんより華美にならないよう前髪と顔周りの髪をすっきりまとめ、髪が長い方は低い位置でおだんごの髪型をつくるとしっとりまとまり、着物映えするヘアスタイルにまとまるでしょう。
父親と祖父はブラックスーツ、またはネイビーやダークグレーなどのダークスーツを着用するのが一般的です。靴は黒革(カーフ)の紐結び(レースアップ)で、デザインはシンプル目なストレートチップ(先端部にラインが一本入っているタイプ)、プレーントウ(先端部に飾りの無いタイプ)が基本です。
祖母の場合は、洋装の場合はフォーマルなスーツまたは華美でなく上品なワンピースがこのまれます。和装の場合は訪問着、色無地(紋付き/ひとつ紋)、附下げが適切です。帯は袋帯がよいとされていますが、最近では名古屋帯が用いられるケースもあります。訪問着は柄が入っていても大丈夫ですが、あまり華美な色柄を選ぶことをせず、上品でつつましやかな色柄の着物を選びましょう。ご自身が父方に祖母にあたる場合も、母方の祖母にあたる場合もご家族で服装を和装にするか洋装にするか、和装であれば着物の種類や帯はどの格式で合わせるかなどを相談した上でどちらか一方が華美になり過ぎないよう相談してきめるのがよいでしょう。色留袖では、黄色・うぐいす色・ピンク・水色などいづれも淡い色を選びましょう。
略礼装の着物の大きな特徴は、礼装に次ぎ優雅で気品高く、柔かみと変化に富んだものです。略礼装の着物には、中振袖、色留袖、訪問着、色無地(紋付き)、附下げなどの種類があります。今回は七五三お宮参りの付き添いで適切な装いとされる訪問着、色無地、附下について紹介します。
訪問着
訪問着は形の上では未婚と既婚の区別はなく、色や模様によって年代が異なります。模様は絵羽模様で、吉祥紋模様などの古典的な柄が多く用いられています。
色無地(いろむじ)・紋付き(もんつき)
黒を除く色ものの一色染めの着物。一つもンをつけることにより略礼装着となります。
附下げ(つけさげ)
着物を着た時に、袖、身頃、衿などの模様が全部上向きに模様配置された着物。絵羽(訪問着)と違うところは、絵羽は左右の身頃や袖漬けの模様が絵になるように同一に流れていくのに対し、附下げは、縫い目で模様が途切れていることです。訪問着に次ぐ準礼装着として着られています。
帯と着物の組み合わせ方
着物は繊細な色合いと複雑な折りによって構成されています。帯、帯締めもまた生地、色彩、図案、その制作技術により多様です。それらの組み合わせは、人それぞれの感覚的なものもありますが、帯、小物の調和を巧みに取り入れることによって、和装美を一層引き立たせることができます。
紋の表し方
一つ紋とは紋の表し方の種類を指します。紋が背中に一つ入っているものを指します。
家紋は定紋、または紋所ともいい、家の目印として先祖から受け継いだものです。その起源は公家と武家と兆人都ではそれぞれ異なりますが、平安時代に公家たちが家具調度牛舎などに装飾を兼ねて用いたことにはじまります。はっきりした家柄を現すようになったのは江戸時代、大名や武士の裃(かみしも)に用いるようになってからのことで、その後一般庶民の間にも普及したと言われています。以来、紋付きの着物には品位があり、紋の数と表現方法によって格式が決まるようになりました。一つ紋のほかには三ツ紋と五ツ紋があります。
格上順で上から、丸帯、本袋帯、袋帯、名古屋帯、袋名古屋帯、単帯、小袖帯、半幅帯があります。丸帯は裏表同じ柄で婚礼衣装や留袖に用いる第一礼装の帯です。半巾(はんはば)帯は普段着・浴衣などに用います。
七五三お宮参りで選ぶ着物には、格式が高い「袋帯」または「名古屋帯」を用います。(丸帯に次に格式の高い袋帯や名古屋帯が適しています。)
袋帯
昭和5年頃、丸帯に似せて作られた礼装用の帯です。帯巾30cm(八寸)に織り上げられたものです。(袋織りのものと袋仕立てのものがあります。)
名古屋帯
九寸名古屋帯とも言います。九寸布に織り上げたものを芯を入れて、八寸に仕立て上げたもの。袋名古屋帯より格は上です。
次は当日の準備や動き方についてみてみましょう。
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