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着物大事典
「悉皆」は「しっかい」と読みます。
悉皆とは、「一つ残らずことごとく」という意味で、きものに関する相談を受けてくれる、今でいうなら、きものプロデューサーのことです。
・相談をして進める
京都で町を歩いていると、「京染悉皆」という文字がよく見られます。かつては、日本のどの町にも「誂染」「染替え」などの暖簾を掲げた店が見られました。
時代が変わり、現在は「きもの病院」「きものクリニック」などの名前に変わっているところが多いようです。看板のイメージから、しみやカビのついたきものや帯を修復してくれるところを想像してしまいますが、実際にはそれだけではなく、自分の寸法や好みに応じたきものを白生地から染めたり、きものの洗いや染替え、ガード加工、古いきものから帯や小物を作るリフォームなどを引き受けてくれます。
名前は変わっても、仕事の内容にそれほど変化はありません。「困っていることがあったら、きものや帯を持って気軽に店を訪ねてほしいですね。近所に適当な店がないときは、呉服屋さんに相談するとよいでしょう。信頼できる呉服店なら、そうした細かい注文にも親切に相談にのってくれるはずです。そして、呉服店から悉皆屋に依頼がきて、場合によっては直接悉皆屋がお客さまにアドバイスをすることもできます」と専門家はいいました。
「長い間着ていたきものがくたびれてきたので、洗いに出したい」、「若い頃着ていたきものが派手になったので染め替えたい」、「どうしてもしみが落ちないけれど、気に入ったきものなのでどうにか着る方法はないものか」などという着る人の話に耳を傾け、どのような変化を望んでいるのかを聞き出すのも悉皆業の大切な仕事になります。きものの洗いにもいろいろな方法があり、それによって価格がかなり変わります。
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