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着物大事典
こんにちは。着物レンタルVASARAにてコールセンターをしていたスタッフです。国内外から人気を誇る京都には多くの旅行客が訪れます。着物を着た観光客をよく見かけたのでしょうか、着物を利用したいのですが可能ですか?と当日にご連絡をいただくことが多いのです。それにあたりどこにあるのかと道案内をお願いされることがあるのですが、案内するときに困ったのが、地名の読み方でした。京都は難しい読み方をする地名が多いように感じます。例えば、簡単な漢字の組み合わせでも間違えやすい上京区(かみぎょうく)・中京区(なかぎょうく)・下京区(しもぎょうく)・左京区(さきょうく)・右京区(うきょうく)や難読漢字を使用している地名、例えば八坂庚申堂(やさかこうしんどう)など、正しく読めない方もいるのではないでしょうか。そこで今回は私が京都の中で気になった地名をピックアップしてご紹介します。地名の由来など知ると友達に自慢できたり、より楽しく京都観光できるかもしれません。
●そもそもなぜ難読の地名が多いのか
難読地名の多い京都、それは1200年以上の長い歴史の変遷の中で生まれてきた、古来の読み方を現代の読みに当てはめていたり、その場所に関係する出来事や人物に由来するため多くの難読地名が生まれたのだといわれています。
中京区の烏丸通(からすまどおり)に沿って三条通から六角通までの一帯を「饅頭屋町」(まんじゅうやちょう)と呼びます。饅頭屋町は和菓子のお饅頭屋さんが多かったことからこの地名になったといいます。京都には、昆布屋町、材木町、鍛冶屋町、塩屋町などその地域に住んでいる人々の職業を表した地名が多いのです。それはなぜかというとかつての京都の中心には様々な職人たちが集団で暮らしていて、そこで商売を行っていたからです。地域の特徴がそのまま地名になるなんてと思うかもしれませんが、愛知県豊田市も車のTOYOTAからあてられています(以前は挙母市といわれていて、1959年に改称されました)。そこは昔も今も変わらないのだなと驚きました。
1349年、建仁寺の龍山徳見という禅僧が宋から帰国した際、林浄因(りんじょういん)という中国人が随行してきたそうです。浄因は中国のマントウという食べ物をヒントに案を入れて蒸しあげた饅頭をつくって僧侶に提供したところ、僧侶だけでなく寺に集まる武士や公家気に入られたそうです。そこで彼は奈良に移って饅頭つくりに励みます。これが現在は東京にある和菓子の老舗である「塩瀬」の始まりです。その後は浄因の跡継ぎは奈良の林家と京都の林家に分かれ、それぞれ饅頭の販売を始めます。しかし、京都は応仁の乱が起こり焼け野原になってしまいました。そのため京都の林家は親せきの塩瀬家を頼って移り、塩瀬の名を引き継いだのです。応仁の乱が収まり安全が確保されると再び京都に戻って、現在の
烏丸三条下ル(からすまさんじょうあがる)に店を構えて饅頭を売り出します。そうするとたちまち大評判。繁盛店の仲間入りをしました。さらに、当時の天皇に献上したところ大変喜ばれ、将軍足利義政より「日本第一番 本饅頭所 林氏塩瀬」と書かれた看板まで賜ったそうです。
そのため、塩瀬の店舗があったあたりを饅頭にちなんで「饅頭屋町」と名付けました。その後も京都の塩瀬は繁盛し、その饅頭の味は天皇家や豊臣秀吉、徳川家康など名だたる武将たちにも親しまれました。
京都の塩瀬は19代まで続きましたが1798年に途絶え、現在は東京に分家した店が塩瀬総本家を名乗って饅頭づくりを続けています。京都の話をしていたのに東京のお饅頭屋さんの紹介になってしまいましたが、気になった方はお土産としてご利用されてはいかがでしょうか。
塩瀬 本店
住所 東京都中央区明石町7-14
アクセス 東京メトロ有楽町線新富町駅より徒歩10分
いかがでしたか?今回は京都の面白い地名、饅頭屋町をご紹介しました。お饅頭屋さんが地名の由来になるなんて面白いですよね。このほかにも京都には面白い地名や由来を知っていると怖いような地名がたくさんあります。ぜひ観光の際に訪れてみてください。着物レンタルVASARAをご利用いただければ気軽に着物観光が体験できます。ご来店お待ちしております。
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