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着物大事典
出産後初めての外出を伴うお祝い「お宮参り」。特に一人目の赤ちゃんのママやパパは、お宮参りにどのような服装をすれば良いのか悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
そこでこちらの記事では、お宮参りでの赤ちゃんやその家族の服装選びについてご紹介します。大切なお祝いを楽しく過ごせるよう、お宮参りへ行く前にぜひチェックしてみてください。
お宮参りは赤ちゃんの誕生をお祝いする行事で、産後に赤ちゃんを連れて神社を参拝し、健康や長寿をお祈りします。古来より赤ちゃんの誕生を神様に報告する習慣があり、それが室町時代頃から現在の「お宮参り」のような、神社で祈祷を受ける行事となったと言われています。
参拝する時期は、生後1ヶ月頃が一般的です。ただ、この頃はまだママも赤ちゃんも大変な時期ですし、暑い夏や寒い冬に無理して行く必要は必ずしもないため、時期はだいたいの目安としましょう。1ヶ月検診を終えてからお宮参りをすると安心です。
お宮参りでは、赤ちゃんの祖母(パパの母親)が抱くのが習慣となっているため、参拝は赤ちゃん・両親・祖父母が一般的です。ただしこちらも無理して全員で参拝する必要はなく、赤ちゃんと両親だけでも問題ありません。
お宮参りをする際、赤ちゃんや両親はどのような服装で参拝すれば良いのでしょうか。選び方のポイントや流れをご紹介します。
家族の服装を決める際、赤ちゃんの服装に合わせるのがポイントです。赤ちゃんの服装は「お祝い着」と「ベビードレス」が主流となっています。
【お祝い着】
和装の場合、肌着の上に「白羽二重(しろはぶたえ)」という白い着物を着て、その上から「一つ身」「掛け着」と呼ばれる、3才や5才の七五三で使う着物を赤ちゃんに被せます。和装は購入やレンタルするほか、両親のお下がりを使うのも良いでしょう。和装には流行り廃りがほとんどないため、用意しておくと代々使用することができます。
掛け着の下は無理に白羽二重を着る必要はなく、セレモニードレスや白いロンパースなどでも大丈夫です。
掛け着の上からお宮参り用のよだれかけを着け、正式には帽子も着用します。
【ベビードレス】
ベビードレスは、お祝い着よりも少しカジュアルになります。退院時にベビードレスを購入していたら、それをそのまま使っても構いません。より格式高くするなら、ベビードレスの上からお祝い着を重ねるのも良いでしょう。
ドレスは一般的には白で、レースや刺繍がほどこされたものなどデザインはさまざまです。季節にあわせて好みのものを選びましょう。男の子がベビードレスを着るのも問題ありません。
ベビードレスの場合も帽子を着用するとよりフォーマルになります。
【その他】
滅多に使わないお祝い着やベビードレスをわざわざ揃えたくない、そんなパパやママも増えてきています。普段のロンパースを着せても問題ありません。ただせっかくのお祝いなので、普段にも使えるけれどフォーマルな印象もある、デザインのきれいなものを選んであげましょう。
赤ちゃんの服装が決まったら、それにあわせて両親や家族の服装を選びましょう。選び方のポイントをご紹介します。
【赤ちゃんが和装の場合】
和装は格式高い装いのため、赤ちゃんがお祝い着を着用する場合は、家族もフォーマルな服装にしましょう。
ママやおばあちゃんは和装、もしくはスーツやワンピースにジャケットを羽織ったフォーマルなスタイル、男性はスーツが良いでしょう。男性が和装を着用するのももちろん大丈夫です。ただし男性だけが和装にならないよう、赤ちゃんや女性に揃えましょう。
兄弟姉妹がいる場合は、大人に合わせてフォーマルな衣服にすると全体のバランスがとれてきれいです。
【赤ちゃんが洋装の場合】
赤ちゃんがベビードレスの場合は、家族はフォーマルかセミフォーマルな服装がおすすめです。女性はワンピースやスーツ、男性はシャツにフォーマルなパンツ、もしくはスーツが良いでしょう。
赤ちゃんがロンパースなどのよりカジュアルな服装の場合は、周りもそれに合わせたカジュアルな服装で問題ありません。ただし、お宮参りがひとつの儀式であることを忘れずに、あまりに着崩したり部屋着のような恰好で行ったりすることは控えましょう。
【服装選びのポイント】
服装を選ぶ際、見栄えだけでなく、動きやすさや授乳のしやすさ、温度調整なども考慮する必要があります。
例えば完全母乳で育てているなら、ママが着物を着てしまうと授乳がしづらくなってしまいます。参拝後に着物を脱いでから授乳する場合、参拝自体はそこまで時間がかかりませんが、着物は着付けにも時間がかかるため、ミルクを用意しておくと安心です。
スーツを着用する際は、ジャケットの下に着るブラウスは授乳しやすい前開きものを選ぶと良いでしょう。授乳口のついたワンピースも販売されています。季節によって温度調整しやすい服装を選ぶことも忘れないようにしてください。
また、フォーマルな場所だからといって、あまりヒールの高い靴や歩きにくい靴を履くのはおすすめできません。ヒールの高い靴を履くとケガのリスクも高まり、お母さんも赤ちゃんを抱えながらの外出は神経を使うので、予想以上に疲れるものです。なるべく疲れにくく歩きやすい靴を選び、格式を保ちつつも赤ちゃんを第一優先に考えた服装で参拝しましょう。
地域によっては、お宮参りの衣服にかわいらしい小物をつける場合もあります。地域の習慣を参考にしつつ、気に入ったら取り入れてみるのも良いでしょう。
【でんでん太鼓】
悪霊を祓う縁起物として、誕生のお祝いとして贈られることも多いおもちゃです。お宮参りが終わったらそのまま赤ちゃんのおもちゃとして使うことができます。
【犬張子(いぬはりこ)】
犬のお産のように出産を軽く、という願いを込めて、分娩室に飾る習慣があった犬のおもちゃです。赤ちゃんが子犬のようにすくすく育って欲しいという意味もあります。最初の七五三(男女ともに3才)までに神社に奉納します。
【扇子(末広)】
末広がりの人生を願う、お宮参りの他に結婚式などでも使われる扇子です。扇子には赤ちゃんの生まれた日や名前を記入します。犬張子と一緒に奉納しても、それ以前に奉納しても問題ありません。
【帯銭(おびぜに)/紐銭(ひもぜに)】
主に関西や近畿地方で見られる風習で、近所の方にいただいたお祝い金(1,000~5,000円程度)を、のし袋に入れた状態で吊るします。名古屋などでは麻ひもに5円玉を12枚通す風習もあり、帯銭としていただいたお金は、赤ちゃんのための貯金の元金として使うと縁起が良いそうです。
このようなおもちゃや飾りは、赤ちゃんの掛け着を結んだ背中の結び目の部分にぶら下げるのが一般的です。掛け着を着用しない場合は、家族がこれらのおもちゃを持って参拝します。
赤ちゃんはお祝い着やベビードレス、家族はそれに合わせたフォーマルやセミフォーマルなスタイルが一般的ですが、形式にとらわれすぎて無理をしないことが大切です。
暑い夏に赤ちゃんに着こませる、ママの体調が戻っていないのに着物の帯でしめつけるといった無理をすると、せっかくのお祝いなのに体調を崩してしまう可能性があります。みんなが赤ちゃんの誕生を楽しくお祝いできるよう、無理のない服装でお宮参りをしてくださいね。
東京の水天宮にお参りに行く場合は、VASARA銀座三丁目店の最寄駅銀座より、人形町駅まで乗り換え無しで行き徒歩5分で水天宮に行くルートもおすすめです。
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