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着物大事典
こんにちは。着物レンタルVASARAにてコールセンターをしていたスタッフです。前回(京都の面白い地名、饅頭屋町)に引き続き、京都にある面白い地名や難読な地名の由来をピックアップしてご紹介したいと思います。京都を訪れる前に知識を蓄えることで観光旅行も楽しくなること間違いありません。今回は骨屋町(ほねやちょう)をご紹介します。
六角通に面していて、饅頭屋町から近い一角を骨屋町といいます。
前回、饅頭屋町を調べた際にわかっていることは、古来の読み方を現代に当てはめていたり、その地域にまつわる出来事や人物に由来されることです。それでいうと今回は葬儀関連の職業の方が多かったのでしょうか?
調べてみると、やはり職業に関連した地名なんだそうです。しかし、葬儀関連ではありませんでした。
実はこの骨とは人間や動物の骨ではなくて、扇の骨、扇子の骨、団扇の骨のことを指していて扇骨をつくる職人集団がこの地域に住んでいたことにちなんでいます。ただし、現在はこの骨屋町に扇関連の家や商店は一軒もありません。なぜ職人がいなくなったのかは詳しく語られていませんが、一説には豊臣秀吉が1586年に京都の大改革にとりかかる前から骨屋町は存在していたのではないかといわれています。
そもそも、扇子の発祥や歴史はどんなものなのでしょう。昨今では節電対策やクールビズの冷感アイテム、着物や浴衣にも合う持ち運びしやすいおしゃれアイテムとして普段の生活の中に浸透しています。特に扇ぐものとして使用されることが多いですが、実は扇子が誕生した平安時代には違う使い方もされていました。貴族女性が顔を隠すために使ったり、和歌を書いて贈り物として渡したり、花を載せて贈ったり貴族同士のコミュニケーションツールとしての役割が大きかったそうです。その後は日常使いや冠婚葬祭の儀礼、七五三、能、茶道や舞踊、落語などの持ち物・小道具として欠かせないものとなっていきました。
1826年から京都で創業した宮脇賣扇庵は、日本舞踊に用いられる舞扇、夏扇に加えて昔ながらの飾扇などあらゆる扇子を取り扱っている老舗の扇子専門店です。江戸時代からほぼすべての扇子製品を自社で製造販売していて、今なおその伝統と技法を継承しています。
宮脇賣扇庵で作られる扇子に描かれる絵のほとんどが職人による手描きで、長年培った職人の技術が生み出した扇子はどれも手触り、開き具合、使い勝手とどれをとっても一級品です。1959年には当時の皇太子殿下御成婚の際に祝いの扇を献納した実績もあるほど。
扇つくりは約30の工程があって、それぞれの工程に専門の職人がおり最後の製品チェックまで気を抜きません。そんな宮脇賣扇庵の扇は1日400本ほどしか作れないためとても貴重な扇子です。さらに、江戸時代から創業した店舗は当時の面影をそのままに残しており、店内には古扇の資料も多く残されているためさながら博物館のようです。1階の売店で扇子を探すのももちろん良いのですが、2階へ昇れば天井画を見ることができます。これらは1902年に富岡鉄斎、竹内栖凰など京都画壇の巨匠たち48画伯によって描かれたものです。扇の文化を堪能できる宮脇賣扇庵にぜひ訪れてみてはいかがでしょうか。
宮脇賣扇庵
住所 京都市中京区六角通富小路東入ル大黒町80-3
営業時間 9:00~18:00(4月下旬~9月下旬は19:00まで)
アクセス 地下鉄烏丸線「烏丸御池駅」から徒歩約7分
いかがでしたか。今回は骨屋町の由来から、京都の扇子の老舗である宮脇賣扇庵をご紹介いたしました。京都にはまだまだたくさんの面白い地名があります。京都のことをより知っていただいて観光旅行へ気軽にいらしていただければと思います。
そして、京都観光ならぜひ着物でされてはいかがでしょうか。着物レンタルVASARAではネット予約で着付けを含めて2,900円からレンタルが可能です。女性だけではなく男性の着物もご用意しているのでデートでもご利用いただけます。京都には着物レンタルVASARAは店舗を構えており、ご満足いただける接客サービスを提供いたしております。着物レンタルをご検討の際はぜひ着物レンタルVASARAをご利用ください。
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