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着物大事典
着物の裾(すそ)とは、どの部位を指しているのか何となくイメージはできていても、洋服との違いなどはわからない人も多いでしょう。
着物ごとに裾の長さや形には特徴があり、その特徴ごとに着用できる人も限定されていますので、ぜひ美しい着こなしができるように押さえていきましょう。本記事では裾の位置や着こなし、着付けで気を付けたいポイントなどをご紹介します。
一般的には腰より下の部分が裾とされていますが、足元近くを指す場合もあります。この裾の裏地が、歩いたときに見え隠れすることもありますので、自然と目が行きます。そのため、裾周りには柄が描かれている着物も多いのです。
着物の裾は、着用する場所や目的に合わせて長さなどを変えることが一般的です。また、裾の角に当たる褄先(つまさき)の形状、裾全体の輪郭なども異なります。それぞれの場所での裾の長さや、美しい着こなしのポイントを見ていきましょう。
・フォーマルな着物では長めに
訪問着や付け下げ、色無地、振袖などをフォーマルな場で着用する際の裾は長めの位置にします。前から見たときは足の甲に触れるほどで、後ろから見たときはくるぶしが隠れるほどが理想的で、前から見た裾の角が横に平行で少しだけ上がるのが理想的です。
着付けの際に、右前身頃(着る人から見た場合の左側の身頃)の裾先を上げ気味にして左前身頃(着る人から見た場合の右側の身頃)を被せ、裾に向かってすぼむような形にします。さらに後ろから見たときは、足元に向かって先が細くなっているように着付けます。
前述の通り、フォーマルな場では裾を長めに着こなしますが、茶席においては畳の上で正座する、立ち上がるという動きが多いため、立ち上がる際に裾を踏まないように長すぎないことがポイントとなります。
・カジュアルな着物では短めに
小紋(こもん)や、紬(つむぎ)などをカジュアルな場で着用する際の裾は、やや短めが一般的です。
前から見たときは足の甲に触れないほどで、後ろから見たときはくるぶしが隠れるほどですが、フォーマルな場での着こなしよりも短めが理想的です。また、裾の褄先はやや上げ気味がよいでしょう。
・裾は下がすぼまるように着付ける
着物の裾は後ろ姿を見たときに、下に向かうほどすぼまるように着付けるのが、美しい着こなしのポイントです。腰から裾まで同じ太さの裾周りでは太った印象を与えてしまいます。
なお、フォーマルな場で着用する着物ほど裾周りの形が目立つように作られていますので、振袖などは特に注意が必要です
着物の裾の長さを素早く決めて着付けるのは、簡単ではありません。特に自分で着付けにチャレンジする場合は、真上から見ているため長さを正確に判断することが難しく、後からは直しにくくなります。ここからは、裾周りを美しく着付けるコツをご紹介します。
・裾の長さは鏡で確認
裾の長さを決めるときは、全身が映る鏡の前で確認しましょう。その際、前から確認するだけではなく、後ろも見ながら確認します。
着付けの順序としては、ウエスト位置で固定しながら長さを微調整しながら決めます。右側と左側の身頃を重ねて完成した形を作ってから素早くベルトなどで固定します。
・草履を履いて確認
裾の長さは草履を履いて確認することも大切です。特にフォーマルな長めの裾にする場合、草履に触れない程度に微調整が必要ですが、もし触れてしまうと踏んでしまう恐れがあります。また、カジュアルな着物でも、裾と草履とのバランスを確かめることをおすすめします。
・要注意!長襦袢(ながじゅばん)は着物よりも長くならない
裾の長さで最も注意すべき点は、長襦袢が着物の裾からはみ出てしまうことです。着物の裾から白い長襦袢が見えているのは美しくありませんし、マナー的にも好ましくありませんので必ずチェックしましょう。
また、着物の下に着用する腰巻も注意が必要です。着物よりも短いサイズにした場合でも、ギリギリの短さでは何かの拍子にはみ出てしまう可能性があります。こちらも必ずチェックして、着物よりも短く着付けをするようにしましょう。
・前と後ろを水平にする
裾周りは、前も後ろも水平な位置に整えます。自分で着付けをしていると前だけ長さを合わせて、後ろは極端に短くなるなど水平を保てていないケースもあります。
後ろが、ほんの気持ち程度に長くなり、後ろ下がりのイメージに整えるのがコツとなります。美しい裾は水平で先すぼまりの形状であるとお知りおきください。
・短すぎるとバランスが悪い
カジュアルな場の着物であっても、裾が短すぎるのはバランスが悪いため避けるべきでしょう。特に足袋から素足が見えてしまうほどの着こなしでは、印象も悪くなってしまいますので、くれぐれも短すぎないようにご注意ください。
着物を美しく着るために重要なポイントとなる裾周りですが、特にフォーマルな場では他の人との差も目立ちやすく、後々まで写真や映像にも残ることも考えられます。そのため、着付けの精度が求められますが、着付けは工程が進むと後戻りで直すことが難しいため、自分では心配という人も多いでしょう。いざ出来上がった裾周りを見て悔やんでしまうこともあり得ますので、ぜひ晴れの日の着物の着付けは、安心できるプロにお任せください。
VASARAの着物レンタルでは、結婚式や結納式、成人式、卒業式などのフォーマルな場に相応しい着物から、観光、街歩きを楽しめるカジュアルな着物まで、30,000着以上を取り揃えています!様々なレンタルプランをご用意しており、着付けからのトータルコーディネートもお任せいただけますので、お気軽にご相談ください。
今回は、着物の裾の着こなし方などについて見てきました。フォーマルとカジュアルな場での裾の形状などの違いや着こなしのコツなどをぜひ今後もお知りおきください。
自分で着物を着付けると客観的に見ることが難しいため、しっかりと着こなせない場合も多いものです。大切なイベントならVASARAの着物レンタルを活用して、ワンラク上の着こなしをしてみてはいかがでしょうか。皆様からのご相談をスタッフ一同お待ちしております。
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